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その二
中米旅行報告 その一 中米の主食
また食い物の話で始まったなとお思いの方もおられるでしょう。(ペルーの時と同じパターンだって?)
やはり旅は食べ物。でも、今回、食べ物は少々ハズレだった。
ペルーの時は、もう、何を食べても大満足だったのに、MEXICO(スペイン読みでメヒコ)はもうひとつ。
この元凶が“トルティージャ”という食べ物。タコスの皮に使ってる奴です。
ただし、タコスのは少し薄めで固い。日本で食べるタコスなんかパリパリの場合も多い。
本当の“トルティージャ”は、印度料理のチャパティーによく似ている。(こっちも知らないか?)
……トルティージャは、トウモロコシを粉に挽き、水を加えて練り、平たく円形に延ばして鉄板で焼いたものだ。
紙のような、薄茶色でぶつぶつの、見るからに旨そうにないやつだ。
ぺったんと伸ばした後、ほんの数分火にかけているだけでお終わり。
明らかに澱粉は変成しきっておらず、消化に悪そうだ。
だと言うのに、これが日本の“ご飯”に当たる食べ物なのだ。
……日本にもあるでしょう?変な喫茶店で昼の定食を頼むと平皿にご飯が載って出てきて、
しかもそれを箸で食うハメになるじゃないですか?
まあ、イメージで言うとそれに近い。
現地の人にとっては不思議じゃないんだろうけど、
料理と一緒に、籠に入ってふきんでくるまれた“ほかほか”のトルティージャが出てくる。
場合によっては、このトルティージャさんは、
箱入り娘よろしく保温のタッパーに厳重に守られて出ていらっしゃる。
食事の最後までほっかほかな訳だ。
肉料理や魚料理に付いてくるのはいい。
でも、スパッゲティーを頼んでもついてくる。(まるでラーメンライス。)
スープだけ頼んでもついてくる。(これは、慣れると安上がり。)
でも、まあ、このぐらいは許してやろう。こんなものじゃあない。
フルコースを頼むと、スープの時にパンがついて来て、
スープの中に短冊に切ったトルチージャさんが団体でいらっしゃる。
メインディッシュに移るとパンが下げられてタッパー入りのトルティージャが出てくる。
“しまった!もっとパン食っとくんだった。”と思っても後の祭り。
極めつけは、ピザ。まさか、と思ったんだけど、なんと、ピザの台がトルティージャなのだ。
もう、なんとかして〜〜な。
日本を出たのが3月上旬。もう杉花粉の飛び始めている時季で、少々腹具合を崩しながらMEXICOに入った。
南の国らしく、MEXICOも香辛料の効いたぴりっとくる料理が多い。
辛いもの好きなだけに、かなりの期待を抱きつつ現地の料理に食らいついた。
……というのに、いきなりこのトルティージャの攻撃を受けてしまった。
さらに腹具合を崩し、胃腸薬を飲みながらの旅行始めとなってしまった。
そんなにひどいものでもないんだけど、トルティージャのことを“こいつは苦手”と思ってしまったから、
もうおしまい。極力避け続けた。
でも、旅の終わりに、もの凄く後悔した。
トルティージャだけだと頂けないのだけど、タコスになると、これが全然違う。メチャおいしい。
多分、肉や野菜との比率の問題なんだろうと思う。
新鮮な野菜(トマトとか玉葱とか)と、たっぷりの焼肉や鶏のもも肉なんかを
薄いトルティージャで包むと、この味わいが絶妙。
しかも、チレベースの香辛料(サルサって呼ばれる緑色の液状のもの)をかけて、
ピリッとした味わいが素晴らしい。
道端の屋台なんかで食べるんだけど、1つ2ペソぐらい(32円)で、3つも食べると充分満腹。
そんなタコスを、旅の間、味わい損ねていたのだ。
だから、日本へ帰る前の何日かは、失った日々を取り返そうと(大袈裟な!)
朝昼晩3食ともタコス屋巡りをしていた。
普通は、旅の終わりには、“少しいいものでも食べるか”って高級料理店に入るんだけど、
今回は全く逆。ひたすらタコスを求めた。
やはり、美味しい店は人だかりがしていて、屋根の上からは猫まで狙いに来たりしてる。
だから、美味しい店を見つけるのは簡単。人だかりに躊躇さえしなければいい。
でも、日本の昼飯時みたいに行列までしてはいないからそれほど気になるもんじゃない。
タコスの店は、肉の焼きかたも面白い。
垂直に立てた金串に、肉のデカイ塊を刺して、火で炙りながらぐるぐる回している。
(大きな独楽みたいなもんだ。)
この、バケツぐらいの大きさの肉の塊から、大きなナイフでグリグリと肉片を5,6片切り取り、
野菜と一緒にして、サルサをかけて薄いトルティージャにくるむ。
見ているだけで美味しそうだ。もちろん、本当に美味しい。
鶏肉の場合は店による。大きな店でないと美味しくない。
鶏は、太く長い鉄棒に1本当たり5,6羽を串刺しにして、これを3,4本横向きにセットして大きな電気のグリルで焼く。
焼きあがった鶏(の付いた串)は、鉄板の上に横たえてあって、注文すると熱い鉄板の上で鶏を捌いてくれる。
見ていると、食事しに来る人たちだけじゃなくて、焼きあがった鶏を買いに来る人もいる。
夕暮れ時なんかは、きっと今晩のおかずを買いに来たお父さん達だ。
グリルを持ってないお店のおっちゃんも買いに来る。
そんな店は、鶏は冷えてるし味ももうひとつなわけだ。
実際、旅行中はここまで気付かなくて、鶏肉のタコスはもうひとつだな、て思ってた。
帰ってきて思い返してからだ、この事実に思い至たったのは。
“鶏のタコス(タコス・デ・ポヨ)はグリルのあるお店で”って覚えとかなきゃ。
とりあえず、今回はここまで。
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